牡蠣食えば

(2004.11)


この画面を見ているアナタ、牡蠣が食いたくなったでしょ!

実りのフェスティバルの話の続きである。広島県のブースでの出来事だ。

冷蔵庫に生牡蠣が置いてあるのが目に付いた。

買って持って帰るのはちょっと無理かなーと思った。実りフェスのあと、別な予定を考えていたため、家に辿り着くまでにかなり時間がかかる。

すぐ諦めて、冷蔵庫を離れようしたとき、売り子のおねえさんが話しかけてきた。

  

以下、その概要。

売り子のおねえさん(以下「売」) 「これね、すごーく美味しいの。買わないと損だよ。」
私(以下「私」):「へぇー」
売 「この牡蠣ね、専用の筏で特別に養殖したものなの。水揚げして、パックしてそのまま持ってきたものだから新鮮で美味しいよ。」
私:「………」

 (10秒くらいの 間)

売:「牡蠣、お好きですか?」
(間髪いれずに)
私:「はい。」

売:「もう残り3パックですよ。持って帰ったら?」
私:「でもそのまま持って行ったのでは悪くなるでしょう?」
売:「保冷剤入れますけど。」
私:「帰り着くまでに6時間くらいかかりそう。」

 (また、5秒くらいの 間)

売:「帰る途中で食べたら?」
私:「電車の中で?」
売:「そう。」
私:「………」

広島ではそれが普通の事なのかもしれないけどさ。

山手線か中央線電車の中でいきなり鞄の中から、殻付きの生牡蠣を出して食べてたら………………それはそれで面白いかもしれないが、少なくとも私にそんな勇気はない。

ここで、横からもうひとり売り子のおばさん登場。

おばさん:「この牡蠣は、選別して別の筏に移して…………(中略)…………美味しいよ。」

途中から説明聞いてませんでした。すいません。
以下二人がかりで口説かれる事に!

売:「会場で食べてったら?5個入ってるけど、美味しいからすぐなくなってしまうよ。」
私:「ここで?食べる場所ないでしょ。」
売:「向こうの方にありますよ。」
私:「………」
売:「どう?」

私:「………じゃぁひとつ」

ああ、言ってしまった。まぁいいか食べちゃえ。

売:「はい、これね本当に美味しいよ。」
私:「箸かスプーンありますか?」
売:「ないけど、楊枝ならある」

ここで食ってけと言っておいて、楊枝かよ!と突っ込みたかったが、無理を言ってもしょうがないので、それは止めた。

売:「保冷剤はいらないよね」

そんな、ここで食ってけと言っておいて。
しかも楊枝を袋の中に入れてから何を確認しようとしておるのだ。

私:「では食べてきます」
売:「はい」

1000円渡して、袋を受け取った。

・・・・・・というわけで、唐突にも生牡蠣を食う事になった。


  
かなわ オイスターヌーボー

言われた方向に行くと、休憩所があって、その一角の椅子に腰掛け、袋の中身を取り出した。

パッケージに説明の紙切れがついている。

開殻済み殻付き(ハーフシェルオイスター)

かなわ オイスターヌーボー

18ヵ月物のかきをさらに、殻付かき用として選別
し専用の筏に移し替え、かき殻の成長を抑え、
実入りを良くした手間のかかった殻付きかきです。
(学名クラスオストレアギガス)

牡蠣の学名がわかったところで、食べてみよう。

殻にはフジツボがびっしりだ。

さっきの説明の紙に、水道水の流水で表面の海水を洗い流せと書いてあるが、ここでそんな事言われても無理なので、無視。

さらに、会場の休憩所で、一人ぽつんと、ひたすら生牡蠣のみを食っている男がいるという、シュールな光景が展開する事になるが、それも無視。

味付けは、海水の塩味だけということになるのだが、牡蠣そのものの味がねっとりと濃いため、レモン汁なんてかけなくても美味い。
一匹一匹(?)でかくて食い応えある。

採れたての牡蠣を海水で洗ってそのまま食べる……漁師さんじゃないとできないようなことができてしまう。

これって、非常に贅沢なことだ。マジでうまいっす。

かなわ漁業生産組合
広島県佐伯郡大柿町深江337-6

 http://www.kanawa.co.jp/




さて、生牡蠣を食べていると、貝の上で、フニフニ動くものがあって、どきりとさせられた。

フジツボが生きてる!

開いたり閉じたり、泡を吹いたり、触手を出したりしている。

上画像のフジツボだけではなくて、貝一枚あたり、生きているフジツボが1〜2匹くっついている。この牡蠣の新鮮さを語る証人だ。