賞味期限58秒(その2)

(2006.7)

路地に入り込んで、住宅街のなかを歩くこと数分、本当にこの道でいいのかとだんだん思い始めた頃、柏屋さんに辿り着いた。

ちょっとわかりにくいのだが、先程の看板のあったところから、ふたつ目の十字路を右に曲がったすぐのところにある。


引き戸を開けてお店に入ると、正面に低いカウンター、向かって右手奥では、お店の方が煎餅を手焼きしている。

店内は、その焜炉の熱気と、煎餅の香ばしい香りが充満していて、あ、なんか本当の煎餅屋さんに来たんだな、と思う。

←これかぁ。賞味期限58秒というのは!

そういえば道路沿いに「熱熱」という幟もあった。その「熱熱」というのが賞味期限58秒の商品名だったのだ。

では、早速この「熱熱」を注文してみよう。(150円)

賞味期限58秒 ぬれせんの原点 店外不出

「熱熱」

カウンター脇のベンチに腰掛けて数分後、麦茶とともに一枚の煎餅がざるに載って出てきた。

焼きたての煎餅を、しょうゆだれに浸したものなのかな?

ぬれせんというと、グニャグニャした弾力のあるものだと思っていたが、この「熱熱」はパリッとしている。

絵にあるように、親指でグイッと押してやるとすぐにパリンと割れるのだ。煎餅は本当に焼きたてでアツアツ。親指が熱いのを我慢して割ろう。

割った煎餅をのんびり撮影している暇は無い。早く食べないと58秒経ってしまう。急いで食べよう。

パリパリの食感と、焼きたての煎餅にしかない香ばしさ。乾燥してゆく直前のフレッシュなしょうゆだれの塩辛い味。これらが一度に味わえる。

なるほどねー。確かにこれは本当に「熱熱」のうちに食べないとダメだよね。

また、出てきた麦茶も、この煎餅を食べた後に飲むとすごく爽やかだ。




幟にあった、「ぬれせん」(写真右)と「わりわり」(写真左)も買ってきた。

“ぬれせん誕生の店”

柏屋米菓手焼本舗
http://www.choshikanko.com/extra/kashiwaya/

柏屋さんは、元祖ぬれせんのお店。商品などの詳細は上記公式HPにて。
期せずして、隠れた名店を訪れたんだなぁと思う。

「ぬれせん」はもちろんそのままたべてもいいけど、一枚に付き10秒くらいレンジアップして、アツアツにして食べても、いいぞ。「熱熱」にはならないけど…。