宇宙のパン

(2009.10)

SPACE BREAD 宇宙のパン

写真左:ミルク味、右:チョコレート味。

先日行った、筑波宇宙センターにて購入。

製造者 株式会社パン・アキモト
栃木県那須塩原市東小屋295-4



毎年、春と秋に行われる筑波宇宙センターの特別公開だが、この秋のにも行ってきた。

もう何度も見に行っているので、大体のところは見学済みなのだが、今回は「きぼう」が完成していることと、H2Bロケットが成功したこととHTVが運用中であることで、何か面白いトピックがあるかもと思って行くことにしたのだ。どうせ暇なんだし。

そこで御土産用に売られていたもののひとつが「宇宙のパン」だった。スペースシャトルにも搭載されたし、ISSの飛行士にも食べられているのだという。

薄々、最近よくある普通のパンの缶詰なんだろうなぁとは思っていたが、試しに買ってみた。

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左写真は展示されていたHTVのエンジニアリングモデル(地上でのテストで使用したボディ)と、それに今回のHTV技術実証機の積荷のサンプル。

その荷物の中にもこのパンの缶詰が入っていた。

何か事あるごとに積み込んでる模様。モノがパンなんだから余すことは無いよね。確かに。

ところで、さっきからHTV、HTV言ってるが、北海道テレビじゃないぞ。


宇宙のパン ミルク味

正直言って、もうちょっとこのネーミングは何とかならなかったのかという疑問が残るが、わかり易さを優先したんだろう。

パッケージの写真は、スペースシャトルから撮ったISS。

「SPACE BREAD」の「E B」の文字のすぐ下に「きぼう」があるが、船外実験プラットフォームが設置される前のようだ。





缶の蓋はプルリング方式。

宇宙まで持って行って、「あっ、缶切り忘れてきた!」 じゃあ済まないからな。(そんなドジするのはのび太だけか)

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蓋を開けると、脱酸素剤と紙に包まれたパンが現れる。

紙の上部を持って、缶から引っ張り出して、広げて食う。

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パンは、思っていたよりフカフカしているが、ギッシリ詰め込まれていたために多少は潰れている。

けっこうズッシリ来る重量だ。

パン自体は、食パンというよりは、クロワッサンのような生地。味はミルク味とのことだが、意外なほどに普通のミルクパンだ。

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食べてみて、前に食べたスイカパンを思い出した。

スイカパンは青リンゴ味だったが、生地の感じはほぼ同じ。そして、缶のサイズも全く一緒。

スイカパンの缶には販売者は印刷されていたが製造者は印刷されていなかったので、はっきりとはわからないが、ひょっとして製造は同じ会社なんじゃないだろうか。

印刷されてる特許番号同じだし。(特許第3056418号)


宇宙のパン チョコレート味

こちらのパッケージ写真は、おそらくISSにつかまっている宇宙飛行士。

顔が見えないので誰だかわからないが、肩に星条旗のワッペンがあるので、アメリカ人なんだろう。

個人的には星条旗を日の丸にフォトショでなおすべきだと思うが、やっぱそれは画像の使用許諾違反になっちゃうかな。



同じように、紙を掴んで、引っ張り出し、広げて食べる。

こちらも、割とズッシリくる重量があり、チョコレートがマーブル状に練りこまれた、普通に美味しいパンだ。

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思うに、この「普通に美味しい」というのが重要なのかもしれない。

短期ならいいが、宇宙で長期滞在するときに、その食事が奇異であったら、それだけストレスになるだろう。できる限り、地上と同じというのが望ましいと思える。

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だから同じ宇宙食でも、ただフリーズドライにしただけのアレって、やっぱり嘘だよねぇって思う。

このパンと一緒に並べて売られていたけどさ。